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日本も警察国家だった

高度成長期の日本社会は一般的に安全だったとの幻想があるが、連続殺人・大量殺人者は毎年のように現れていたし、1960年代には「草加次郎」、1970年代には「大地の牙」という電車やビルを爆弾で破壊し、多数の人々を殺傷するテロリストが登場した。連合赤軍は多数の仲間を殺戮し、無関係の一般住民を襲撃し、警官隊と銃撃戦を展開し、海外でテロを行っていた。

それでも、現在よりも犯罪が少なかったのは、日本が高度成長状態であったため、働く意欲を持っていれば仕事があったからだ。

そしてもっと重要なのは、当時は引っ越しなどで新しい住民が来ると、地域を担当する警官がその住民の家を訪問して、家族構成、勤務先や収入、子供の所属学校などの個人情報を聞きに来たことだ。住民も当然のように素直に情報を提供していた。このような習慣が廃れた今、日本に犯罪が大幅に増加したことを考えると、当時の日本は自由民主国家の体裁を装った警察国家だったから犯罪が少なかったと言えるかもしれない。

以前のような警察国家にしたら良いと思う方々もいるのではないだろうか。そんな意見に対して、白川勝彦氏の体験をご紹介したい。同氏は弁護士で自民党の衆議院議員であり、かつての国家公安委員長だった。その人がむさくるしい格好で渋谷を歩いていたことで、4人の警官に職務質問された経緯をウェブサイトに載せておられる。
http://www.liberal-shirakawa.net/idea/policestate.html

警察国家にならずに安全かつ安心な社会を維持していくのは、どうしたら良いだろうか?次回はロス・アンジェルスとサン・ディエゴの例を取り上げたい。
by riskyage | 2006-05-27 14:12 | 危ない社会


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